大変です…
ディッキーズが買収されました。
以下引用
ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」「ティンバーランド(TIMBERLAND)」「ヴァンズ(VANS)」などのブランドを保有するVFコープ(VF CORP)は、「ディッキーズ(DICKIES)」などを運営するウィリアムソン・ディッキー・マニュファクチャリング・カンパニー(WILLIAMSON-DICKIE MANUFACTURING COMPANY、以下ウィリアムソン・ディッキー)を、現金8億2000万ドル(約893億8000万円)で買収した。
うーん…
色々と気になることがあります。
ディッキーズの運営会社を買収した「VFコープ」って何なのか?
ディッキーズは今後どうなってしまうのか?
今回は、この買収の記事を読んで気になったことを調べたので、まとめました!
ディッキーズを買収したVFコーポレーションってどんな会社?
VFコープこと「VFコーポレーション(以降VFC)」は、アメリカのノースカロライナ州に本社を置くアパレル企業です。
なんと驚いたことに、創業115年以上の歴史をもち、世界150カ国以上に事業を展開しています。
けっこう老舗の大きな会社なんですね。
VFCは、既存のブランドを買収し親会社として事業展開
VFCは経営の方法が特徴的です。
なぜなら、自社で開発したブランドを販売しているのではなく、今回のようにブランドを買収し、事業を行っているからです。
すでに存在している企業とそのブランドを買収することで親会社となり、自社と買収企業を発展させています。
ノースフェイス他、VFCは数々の有名ブランドの親会社
VFCが保有するブランドには、以下のようなものがあります。
VANSに、Timberland(ティンバーランド)、THE NORTH FACE(ザノースフェイス)など、名立たる有名ブランドが並んでいます。
ここにディッキーズが加わるわけですね。
実は、VFCってかなりすごい会社だった
商品を販売している企業にとって重要なのは「ブランディング」です。
「ブランディング」とは簡単に説明すると、ブランドの価値を高めるための手法のこと。
たとえば、スニーカーといえば「NIKE」、スマホといえば「iPhone」などのように、ある分野においては、企業と商品が直接イメージとして結びついていることがあります。
これがブランディングであり、こうなるとブランドの価値が高いといえます。
イメージと結びついているか否かが売り上げにも直結しているため、企業にとって、これは極めて重要なことですね。
さて、ここで本題に戻しますが、VFCのすごいところは何といっても、この「ブランディング」の巧さなのです。
VFCのブランディングの恩恵を受けた「VANS」
2004年、VFCに買収された「VANS」を例にしてみてみましょう。
今でこそ「VANS」は靴のブランドとして確固たる地位を築いていますが、買収される以前は現在と全く状況は違っていました。
なんと、10年間にわたり毎年約40億円もの赤字を出しており、企業の存続すら危ぶまれていたのです。
そんな中でVFCが「VANS」を買収しました。
VFCは独自のブランディングにより、「VANS」の市場を拡大。
その結果、買収前までの「VANS」の主な市場であるアメリカ西海岸だけではなく、東海岸、そしてアジア地域にまで「VANS」を進出させることに成功し、靴のブランドとしての地位を築き上げることに成功しました。
現在「VANS」は、年間約1200億円もの売り上げをほこるまでに成長しています。
このように、VFCは業績が伸び悩んでいるブランドを買収し、ブランドの価値を高めることで大きな利益を生み出しているからすごいのです。
有名ブランドを買収してその人気にあやかっているわけではなかったんですね。
VFCの買収によってディッキーズはどうなるのか?
前述したとおり、VANSの場合は買収されたことによって、赤字だった経営から脱却し、誰もが知る一大ブランドになりましたね。
では、ディッキーズはどう変わるのか。
ディッキーズはすでにワークウェアのブランドとしてそれなりの地位を築いていますが、買収によってどうなるのかを考えてみました。
ディッキーズは今後さらなる有名ブランドへ
冒頭に貼った記事内で、VFC社長はこう話しています。
今回の買収は、VFコープの将来のための意義のあるステップ。ワークウエアブランドを強化したのは、ワークウエアがプレミアムジーンズやティーン服などの不安定な市場と一線を画すカテゴリーだからだ」と話す。
引用記事:「ザ・ノース・フェイス」「ヴァンズ」オーナー会社が「ディッキーズ」運営会社を現金約900億円で買収
さらに、ディッキーズのCEOの意見が続きます。
ウィリアムソン同社CEOは「グローバルなワークウエア市場でリーダーシップを維持するために、会社と傘下ブランドを成長させる努力をしてきた。両社の強みを統合することで、従業員、ベンダー、小売りパートナー、最終的には顧客とってもプラスとなる。VFコープのリーダーシップの下、次の成長段階に入り、世界のワークウエア市場のニーズに対応したい」と語る。
引用記事:「ザ・ノース・フェイス」「ヴァンズ」オーナー会社が「ディッキーズ」運営会社を現金約900億円で買収
なるほど。
この2人の話から思ったことは、今回の買収はVFCによる一方的な買収ではないということ。
VFCとディッキーズ運営会社は、お互いの会社の業績を認め合ったうえで、さらなる飛躍のために"手を組んだ"という感じですね。
VFC側が欲しかったのは、ワークウェアという分野ですでに一定の地位にあるブランド。
ディッキーズ側が欲しかったのは、さらなる事業拡大に向けてブランドの価値を高めるためのブランディング力。
両社の方針が一致した結果が今回の買収だったということですね。
この2社が手を組んだということで、ディッキーズは今後さらなる有名ブランドになることでしょう。
新商品、ディッキーズの新たなブランドコラボ品の発売
それぞれのブランドの親会社がVFCという共通の会社なので、ブランド同士のコラボが実現しやすいでしょう。
VFC保有ブランドの大ヒット作には、「VANS」と「THE NORTH FACE」のコラボがありますね。
そして今回、VFCのグループにディッキーズが加わるということで、VFCが保有する別のブランドとディッキーズのコラボ品が生まれるかもしれません。
たとえば、
ディッキーズ×ティンバーランド
ディッキーズ×ザ・ノースフェイス
など、密かに楽しみにしています。
あとがき
以上です。
私はとにかくディッキーズのさらなる飛躍を願っています。